オーナーシュフCのマン管浪人日記

2018年度マンション管理士試験合格を目指す浪人主婦の日常

民泊狂騒曲

一昨日、マンション管理の現場をざわつかせた民泊新法が施行されました。しかし政府が全力で吹き鳴らした笛の音も虚しく、踊ってくれた人はごく僅か。単純にビジネスとして成り立たないと判断されている模様です。


「民泊なんてやられたら外国人が大挙して押し寄せる無法地帯となってしまう・・・」
私が所有するマンションのうち、いくつかの管理組合ではこのように剥き出しの警戒感が渦巻いて、規約で民泊禁止を明文化するに至りました。


気持ちはわかる。実際に民泊利用されているマンションの一室で殺人事件が起きているし、外国人でなくても不特定多数の人間が恒常的に出入りするのは好ましいことではありません。しかし、だ。あるマンションについて一言言わせていただきます。


「民泊業者がこの物件を借りると思うのか」と。エントランスから雰囲気は暗く、内廊下なのに壁や床はボロボロ、塗装のはがれた鉄製の扉が並ぶ様子は収容所を思わせます。
所有者が言うのも何だけど、夜に行くと怖い。この物件が廃墟になって抜け出せなくなる夢を見たことがあるほどです(本当)。それでもエレベーターや白ガス管などは取り換えをしていて、理事長いわく「人命に関わる部分は改修する。ペンキが剥がれていても人は死なない」だそうです。


私はどうにか賃借人を見つけて稼働させていますが(収容所とか言っておいて!)、10年以上空室状態の部屋も多く、それが一層廃墟感を醸し出しています。ある所有者は、「貸してほしいという人がいたが、給湯器が壊れているし改装に金がかかるから断った」と言っていました。もともと自己使用をしていた人にはこのようなケースが多いと思われます。


そして、そういう人に限って民泊を警戒している。「空室が多いと業者に狙われやすい!」だって。だから、何十年も水を流したこともない部屋なんか借りないって。恐ろしいよ。私の経験では、そういう部屋はだいたい配管が詰まっていて水が流れない。流れたと思ったら階下に漏水で阿鼻叫喚。


民泊だって物件を選ぶ。ペンキが剥がれている物件は、民泊にも一般人にも選ばれない。そういう物件のオーナーは、選ばれる努力をするのではなく、自分が賃借人を選り好みしないこと。とはいえ、保証会社の審査が通らない人を入れる勇気は、私にはまだありません・・・